[映画]絶景かな、絶景かな

DVD視聴。


あらすじを簡単に
天下の大泥棒を自他共に認める五右衛門は、忍びとして育て上げてくれた恩人・織田信長が、秀吉の謀計により殺害されたことを知る。
同じく半蔵の元で育った才蔵は、天下を狙う三成の配下として秀吉暗殺を図る。
家康も茶々を煽動し、秀吉を狙う。
戦国絵巻を下敷きにしたスペクタクルドラマ。



所詮、と思いながら視聴したのですが、これがなかなか。
あっさい戦国末期の歴史知識を、ちゃちいCGとくっさいドラマで、これだけ魅るものにしてくれれば文句はありません。
これはね、意外に面白いですよ。
映画マニアに受けないことは確実ですけれど。


問題は、秀吉との決着が付いた後。
いらないねぇ、このエピローグ。
泣かそうとでもしたんでしょうか?
もちろん泣けませんけれど。



金額で評価するなら(標準 ¥1500)


¥1550


です。


CGの出来とかを考えれば、DVDで十分。
見てない人にはおすすめ。

本気でもウソッパチでも

遊助の「ミツバチ」、聞きました?
最近コンビニに行けば、有線で流れているので、どうしたって耳に入るのですが、これ、どう聞いてもブルハの「夢」のメロディーラインがそのまま使われてますよね。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B003NHX5EK/senkou04-22/



で、グーグルで検索すると、案の定いろいろ言われてまして、「叩かれるワケは?」なんてページもある始末。
http://www.terrafor.net/news_beCIlKEcFq.html


ユーチューブの「ミツバチ」「夢」比較のページ
http://www.youtube.com/watch?v=dSY7MCxfx9s&feature=player_embedded
http://www.youtube.com/watch?v=mXnOHWX3AbA&feature=related
では、コメント欄に「サンプリング許可は取ったらしいからいいんじゃないですか」という書き込みがあるんですが、サンプリングとは、


過去の曲や音源の一部を引用し、再構築して新たな楽曲を製作する音楽製作法・表現技法のこと(ウィキペディアより)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0


ですよね。
これ、どっこも再構築してないじゃん。
許可をとるかどうかが問題じゃなくて、これ、サンプリングじゃないですよね。
こういうの「パクリ」っていうんじゃなかったでしたっけ?
インスパイア? 横文字にすれば、なんとなく許せるとでも思ってるんでしょうか?


こちとら20年以上ブルハ聴き続けてるんだ、「夢」からメロディー引っ張ってきて適当な歌詞付けて、それで


作詞・作曲  遊助


ってのはどういう量見だい?


しかも、ネットで探しても、サンプリング・ブルーハーツっていうクレジットはどこにも見当たらないし。
レーベルのソニー・ミュージックのページも、
「実はボヘミヤ民謡で“ハチの曲”と言えば日本人なら誰もが知ってる“あのメロディー”を随所にサンプリングした」
としか書いてないし。
http://www.sonymusic.co.jp/Music/Arch/SR/yusuke/index.html


これ発売許可した音楽業界人どもは、誰も
「ブルハのパクリですか?」
って指摘しなかったんでしょうか。


それとも、知らなかったのかな?

[その他]学のスチャラカV字回復日記

もうね、ツリまであるから、いちいちツッコムのが大人気ないのは承知の助。
押尾学被告が「獄中記」を公開。
それ自体は、ま、どうでもいい話なのですが、


「人間破滅に向かう時はいつの間に転落する。そうなると落ちるところまで落ちきるまでは復活の目は出てこない。地獄の入口から戻ってやる」


としつつ、


「犯罪者の汚名を着せられて、押尾学というブランドを剥奪され死に物狂いで無罪を取る」


だそう。



落ちきる気、ゼロやん。


http://www.sponichi.co.jp/entertainment/flash/KFullFlash20100806008.html

[映画]ゲロンチョリー

DVDで視聴。
原作小説を先に読んだ映画は大概だめ(伊坂幸太郎作品除く)。
その先例にそむかず、ぼくの琴線に触れた部分は大幅カットで、いらん要素がてんこ盛り。
ザンネン。
金額で評価せず。



最低でも最後、美しさを取り戻した栗山千明をもっといじるべき。

[小説]皆さんには今から、殺し合いをしてもらいます

気がつけば、ことしも8月15日が近付いています。
昭和20年というと、ぼくが生まれたちょうど30年前ですから、ぼくには計算がしやすい年でもありますが、平成生まれの人はどうやって終戦何年と考えているんでしょうか?
それとも考えたこともないんでしょうかね。


百田尚樹さんの「永遠の0」を読了しました。
あらすじを簡単に


司法浪人の健太郎は、フリーライターの姉からバイトを依頼される。
終戦間近、特攻隊員として戦没した祖父のことを調べるというのだ。
実は祖母が戦後再婚し、長くその事実を知らされていなかったため、健太郎は本当の祖父がいたということを最近になって知ったばかり。
「娘(健太郎の母親)に会うまでは死ねない」と語っていた祖父が、なぜ特攻隊員に志願したのか、健太郎達は祖父とともに太平洋戦争を戦った戦友の証言を集めていく。



貫井徳郎が「慟哭」で鮎川賞を受賞した際、誰かがこの作品を
「結末は分かっている。
 私は羽がゆらゆらとそこに向かって落ちる様を眺めていた」
とか、その類の言葉で褒めたことがある、と解説か何かで読みました。
「永遠の0」でぼくは、まさに同じような感想を持ちました。
結末はプロローグにあります。
しかし、この小説は、絶対に読むべき作品です。


健太郎の本当の祖父・宮部久蔵は、志願兵として軍隊に入り、零戦乗りとして活躍した人物です。
「お国のため」に戦った当時、家族を思い、「死ねない」と公言する宮部は、特異な存在。
作者は戦争をなじる手段として、昭和10年代に現代を生きる人物を放り込んだということでしょうか。


戦時中、零戦が太平洋を席巻しながら、海軍上層部の無能さゆえ、あたら命を散らす若いパイロットたち。
死ぬのも地獄なら、生き残るのもまた地獄。
生き残った飛行機乗りたちの証言集という手法を使っているため、物語はミクロの視点から、戦争ではなく人間を描き出しています。


戦争はよくないことだ、という感覚は、ぼくら戦後育ちにお題目のように刷りこまれたものです。
戦争の悲劇がどこにあるのか、この小説は答えの1つを提示してくれていると思います。


ウエットになりすぎず、それでも証言の1つ1つに涙がこぼれます。
戦争当時、宮部は軍部内で特異な存在だったかも知れませんが、現代ならずとも当たり前の考えを持った1個人に過ぎません。
時代、あるいは環境がその言葉を許さなかっただけなのでしょう。


現代でも引用されるガダルカナル島、あるいはラバウルの悲劇的、また破滅的戦闘を知る貴重な資料でもあると思います。
文庫本で575ページの大作ですが、長さは全く感じません。
ぼくの子どもたちが中学に上がったら、ぜひ読ませてみたい作品です。



金額で評価するなら(標準¥500)



¥2920


です。
税込み¥920でしたので。


ぼくらは戦争を止めるために、あらゆる犠牲を払わなければならないと思います。

[その他]ロストジェネレーターの憂鬱

きょうが投開票日の参院選で、民主党が戦前議席を割り込み、自民党が盛り返す見込みが濃厚となっています。(午後9時過ぎ現在)
個人的に民主党が負けるのは仕方のないことだと思っていますが、何も叛意を自民党にむけることはないんじゃないかと腹を立てています。


これまでの民主、自民の立場が入れ替わりましたね。
衆院選自民党が勝てば、意趣返しに参院選では民主党が勝つ。
国民のバランス感覚ですね。


そうと分かった上で、自民党が勝ちそうと言う話にこれだけ腹が立つのはなぜだろうかと自己分析してみました。
多分ぼくは、バブル経済を招き、バブル後の経済運営に失敗した自民党が大嫌いなんだと思います。
なぜならぼくは1975年生まれ、1998年大学卒業の、いわゆる「ロストジェネレーション」ですから。


1975年は第2次ベビーブームの直後で、浪人生も含めると、大学受験が最も難しい時期だったと言われました。
バブルで日本が狂乱していたころは中・高生。
田舎にいたぼくに、バブルの恩恵は微塵もありません。


ところが大学に入学してみたらバブルがはじけ、就職するころには「超氷河期」。
人数の多さも相俟って、就職試験は大苦戦が続きました。


もちろん個人の資質が低かったんだろうということは、当時から反省していました。
土台、会社の名前だけで受験していましたからね、こんなやつぼくが面接官でも取りませんもの。


ただ政治が国民の幸せをつくる努力をするものであるなら、ぼくは自民党に邪魔をされこそ、御世話になったことは一度もありません。
これがロストジェネレーター全員に共通するかはわかりませんが、ぼくが自民党を嫌う理由なんだろうと思います。


じゃあ思うように就職できなかったから不幸せか、といえばそうとばかりも言えないのが人生だろうと思っています。
ありがたい話ですがぼくは、3人の子どもに恵まれました。
もしあのまま東京で思うように就職していれば、この人生はなかったんだろうと思えば、帰郷することも悪いことではないと、30をすぎて思えるようになりました。


それらすべて分かったような、大人になったようなふりをしながら、やっぱり自民党が嫌いなんですよね。
きっと政権を奪還しても、ぼくの人生の不幸を増殖するような気がしてなりません。


この参院選が、先の衆院選のただの反動であることを願っています。

[その他]面の皮の厚さよ

マイフェイバリット漫画家・西原理恵子の表の代表作「毎日かあさん」が映画化されるそうです。
西原作品はこれまでにもいくつかが映画化されてきましたが、いずれも佳作止まりの評価だったように思います。
仕方ないですよね、あんな枠に入りきらない漫画を型にはめようなんて無茶ですから。


でも今回の映画化、これまでとは制作サイドの気合いが違います。

配役が
西原    →  小泉今日子
鴨ちゃん  →  永瀬正敏


元夫婦が、元夫婦を演じるわけです。
どうやって話を持って行ったんだか。
とにかく、期待できそうです。


太腕繁昌記
http://ameblo.jp/saibararieko/entry-10583976168.html#cbox