[小説]読了

佐藤亜紀ミノタウロス」、和田竜「のぼうの城」を続けて読了。
いや、これほど読後感が正反対の本も珍しい。


佐藤亜紀さんの本に触れるのは、日本ファンタジーノベル大賞を受賞した「バルタザールの遍歴」以来ですからほぼ20年ぶりということです。
吉川英治文学新人賞、2007年「本の雑誌が選ぶノンジャンルのベストテン」1位ということですが、これを選んだみなさんに物申したい。


みんなどれだけ文学が好きなんだ


と。


難しすぎるというのが偽らざる感想。
ドストエフスキートルストイとかの日本語訳を読んだ際に感じる、「誰が誰だか分からない」感満点です。
今の世の中でこれだけ難解な小説に1位を与えるなんて、信じられません。


バルタザールは軽く読めた記憶しかないんですけどね…
これはぼくの文学力が怖ろしく落ちている証拠なんでしょうね。



かと思いきや、「のぼうの城」。
こちら淡泊すぎて読後、


「えっ、でっ?」


という感想。
文庫本上、下で400ページくらいですか。
こんなに長く書く話じゃないですよね。


この手の話は
寄せて、引いて、寄せて、の



が面白いわけで、そこがないだけで物足りなさ満点です。
これなら酒見賢一の「墨攻」のがはるかに勝れている印象。



というか、これを続けて読んじゃいかんわな、という食い合わせが悪い小説の見本のような2冊でした。
しかもミノタウロスの間に、我慢しきれなくて舞城王太郎の「NECK」はさんじゃったし。