[時事]「変わらなきゃ」も変わらなきゃ

鳩山由紀夫氏が首相辞意を表明しました。
http://www.asahi.com/politics/update/0602/TKY201006020114.html


ジャーナリストの田勢康弘さんが普天間問題について1カ月ほど前、
「首相は実現可能な折中案を端から『ない』と切り捨て、実現不可能な話に終始し、自らの首を絞めている」
のようなことを何かに書いていましたが、まさにこんな形で幕を降ろすのを予見していたような気がします。


鳩山・民主の弱点は、自民党やかつての野党が政権奪取を目的に結集した点にあると思います。
政権交代という大目標を果たして何をやるかと言えば、結局かつての自民党政権を踏襲するかのごとき政治。
小沢、鳩山、両氏が2トップだったのですから、仕方がないといえばそれまでですが。


対して国民は「政権さえ代われば何かが変わるかもしれない」という期待感を持って先の衆院選に臨みました。
個人的に鳩山氏は田勢さんが指摘したような欠点はあったにせよ、大きな失策はなかったという印象です。
自民党が今も政権を握っていたとして、今以上の成果を残した可能性は低いはずです。


普天間問題にしても、いっそ
「国外移転を目指すので、時間をください」
と言えてしまえば、今とは違う結果があったはずです。
それができないのは、安保条約にがんじがらめの自民党的思考が2トップにあるから。
「変わらなかった」ことは罪であり、国民にとっては「背信」です。


次の首相は民主党の代表選の結果で決まるようですが、民主党にとっては最後のチャンスだと思ってほしいものです。
4年以内にその次の首相交代があるようなら、
「民主も自民も一緒」
ということになりますから。
菅氏では「昔の名前」になりますが、岡田、前原…民主党の人材不足を露呈しそうですね。



なお、先週号の週刊ポストにこんなことが書いてありました。
最近の新聞やテレビが「世論調査」を何回も何回もする理由です。


自民党時代は長いつきあいから族議員のボスなどにコネがあり、その筋からいわゆる「特ダネ」を拾うことができたが、民主党小沢幹事長に政策立案機構が一元化されたため、それができなくなった。
で、1面のトップを飾るような原稿を仕立てるために「世論調査」をする。
それも「首相支持率絶不調」くらいのインパクトがないと、2000万円もかけて調査するに合わない。


というものです。


街でいろんな人と話をする機会があるのですが、首相支持率は新聞、テレビの調査通りではないという印象を受けます。
ご承知の通り、調査は設問の仕方でいかようにも数字をつくることができます。
首相を蹴落としたのはメディアだと、ぼくは思っています。


しかし果たしてそんなことで日本はよくなるのか?
メディアには十分な自省を求めたいと思います。