[映画]相棒 -劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン

水谷豊が(本格的に)映画出演するのは25年ぶりっていうのにびっくりです。



あらすじを簡単に
東京郊外の巨大テレビ塔に元人気ニュースキャスターの縊死死体が見つかった。
現場には「f6」という謎のコードが残されていた。
一方、警視庁特命係の杉下右京亀山薫は、脅迫を受けている衆院議員の片山雛子の護衛任務が割り当てられた。
片山はラジコン爆弾に狙われるも回避、犯行現場には「d4」のコードが。
一見つながりのない2つの事件が会員制のSNS「処刑リスト」によってつながった。



「興収50億円も」と言われる話題の作品ですが、最近ぼくはテレビ局主導の映画というだけで斜に構えてしまうのです。
マイナス評価からスタートして、見終わっての感想は
「う〜ん、こんなもんか?」
くらいです。



チェスを使った謎解きに挑む前半は、右京と犯人の頭脳戦の趣があり、非常に楽しめました。
ありきたりといえばありきたりなのかも知れませんが、右京というキャラクターを十分味わえる組み立て。
ぼくは「刑事貴族」のころから、水谷豊が大好きなのです。


だからこそマラソンが絡み始めた後半の、あまりの「普通」っぷりに拍子抜けでした。
ガソリンタンクを満載した船はさすがに下調べの段階で気付くだろうし、「3万人のランナーと15万人の観客がターゲット」となっている割りに、18万人に犯人の手はかすりもしない。
リボルバーに弾が1発も入っていないのは、あきらかに捜査陣に真相につながる情報を提供するためだとしか思えません。


前半の犯人像は「理知的」、後半は一転2時間ドラマの泥臭さ。
同じ人間が計画したとは到底思えません。
脚本家が一晩寝たら犯人像を忘れてしまったとしか思えませんでした。


ただ、誰からも文句が出ないだろうキャスティングをしているため、映画の質が大きく下がることもなく、なんだかんだで大団円を迎えます。
水谷豊と西田敏行岸部一徳の3人が演じていないなら、この脚本では映画になり得ません。
必死で映画にしようと数千人規模のエキストラを使ったり、戦車走らせたり、空からの東京を映したりしていますが、せいぜい金のかかった2時間ドラマという印象です。



金額で評価すると  (標準  ¥1500)



¥1100


です。



俳優陣に敬意を表します、が、水谷、寺脇、西田以外は、どんな大物もちょい役というのは考えものです。
あと久しぶりに柏原崇を見られてうれしかったというのはあります。
エンドロールが流れるまで、「ひょっとして収史の方じゃないだろうか」とドキドキしましたが。


公式サイト
http://www.aibou-movie.jp/#