[映画]4分間のピアニスト

これだけ俳優がちゃんと弾いているところを見せる音楽モノを見たのは初めてでした。


あらすじを簡単に
刑務所にピアノ教師として雇われたクリューガーはそこで天才ピアニスト・ジェニーと出会う。
この才能を何とかして世に出そうと、所長を説得してコンクール出場を認めさせるが、ジェニーは看守の陰謀で決勝を目前に暴力事件を起こし、決勝のための出所が認められなくなってしまう。
責任を取って辞任したクリューガーは一つの計画を胸に秘めていた。



画面は刑務所とコンクール会場の往復で、陰と陽の対比をするのかと思いきや、どちらもびっくりするほど乾いた映像で、むしろ潔い感じです。
これがドイツ映画なのでしょうか。



本人の資質も問題なのでしょうが、人間はちょっとしたことで運命がよい方向にも悪い方向にも行ってしまう。
ババばかり引いていたジェニーにとって、クリューガーとの出会いはよいことだったのでしょうか?
かつてひどい目に遭い、嫌っていたコンクールに再び出場することはよかったのでしょうか?
暴力事件、脱獄と刑期をさらに延ばすようなまねをしてよかったのでしょうか?
クリューガーはそうであっても才能を世に出したいという信念があるのですが、果たしてジェニーはどこまで考えていたのでしょうか?
無知な赤子の手を引くまねは、むしろ残酷な物語に見えました。



ネタバレしますが、
クラシックのみを至上の芸術と考えるクリューガーと、あり余る情熱をぶつけるコンテンポラリーを得意とするジェニーの対立、決勝でコンテンポラリーを奏でる結末に納得がいきません。
さらにそれに拍手するクリューガーの心情は読み取れませんでした。
それは何十年のクリューガーのすべてを否定する行為なのではないでしょうか?
それを凌駕するだけの芸術性がジェニーにあると読み取れるものは画面にはありませんでした。
それは演奏を評価するだけの耳がぼくにないからなんですけどね。



金額で評価するなら(標準 ¥1500)



¥1200


でしょうか。



とにかく音楽モノは難しい。
純粋にストーリーだけで評価しきれない作品ですしね。



公式サイト
http://4minutes.gyao.jp/