[映画]エリザベス:ゴールデン・エイジ

見ているうちに気づいたんですが、これ、続編ですね。


あらすじを簡単に
女王に即位後も悩み多きエリザベス。
財政上の問題もさることながら、私生児の彼女の王位継承に反対する声が根強くあった。
国内にはまだ国教会に反対するカトリック教徒の力が大きく、その象徴として王位継承権を持つ元スコットランド女王メアリーの存在が。
気が休まらないエリザベスの前に、新世界から帰国したばかりの私掠船船長ウォルター・ローリーが現れる。
彼は航海費用をエリザベスにねだろうという腹積もりだったが、彼女の存在にひかれ、またエリザベスもワイルドながら教養豊かなウォルターにひかれていくのだった。
だが平穏なイングランドに目をつけたのが、世界をカトリック教徒に変えようという熱狂的な信者スペイン王フェリペ2世。
スペインの張り巡らした罠のため、両国の決戦は近づいていた。



「ゴールデン・エイジ」と銘打ちながら、ゴールデン・エイジ前夜までを描いたのがこの作品。
女王という人の上に立ち、人に命令する立場であり、表向きは鉄の仮面をかぶっていなければならないけれども、仮面を脱げばただの女なのよ、というのがテーマのようです。
「心の揺れ」の表現なのですが、さすがケイト・ブランシェット、その辺の強弱のつけ方は見事でした。
それに1998年の前作から10年ですが、美しい、バックヌードも含めて。
かわいらしさはありませんが。



笑ってしまったのがウォルターのクライヴ・オーウェン
前作の恋人ダドリー役のジョセフ・ファインズそっくり。
というか、ひげをあんな形にすると、誰でも似てしまうんですかね。
これは「恋に落ちますよ」という出オチなんでしょうか?



個人的にはフェリペ2世がお気に入りです。
修道士のように短髪、しかも足が悪いのかひょこひょこ歩くところなんか、小物感たっぷりです。
もっと見ていたかったですね。



不満があるのはストーリーの方でした。
「女としての弱さ」は十分見せ付けられました。
無敵艦隊が迫ってるのにまだ女のままなのか、とも思いました。


反面の「女王としての強さ」はどこにいったのでしょうか?
男相手に怒鳴り散らすところ?
私憤を超えてウォルターを許すところ?
鎧を着けて軍隊を鼓舞するところ?
もちろん兵士の前にすら出られなかった豊臣秀頼よりは認めますけどね。


例えば新世界から帰ってくる私掠船に掠奪許可証を与えたということを、もっと前面に出してもよかったと思いますし、アルマダの海戦で(やむにやまれずだとは思いますが)私掠船を艦隊に加えたこととか、何か「手を打ちましたよ」というところがないと、げんなりです。


これじゃ勇気はあるけど対策はない、頭が空っぽの女、という印象しか残りません。


しかも海戦シーンが少ないし、何で1隻の突入で無敵艦隊が大炎上しているのかわかりませんでした。



金額で評価すると(標準 ¥1500)



¥1000



ですか。


¥1000切らないのは俳優への評価です。
衣装とか海戦シーンとか手が込んでいただけに、大きな期待の裏腹で、ちょっと徒労感が残りました。
3人のエリザベスを登場させたのは、対比して見なさい、ということだったのでしょうか?



公式サイト
http://www.elizabeth-goldenage.jp/