[映画]アメリカン・ギャングスター

ギャングスターは暴力的な犯罪集団のことだそうです。
やくざを英語で「ジャパニーズ・マフィア」と呼んだりしますが、基本的に構成員はギャングスター。
てっきり「チンピラ」とか「愚連隊」のことかと思っていました。



あらすじを簡単に
「ハーレムのロビンフッド」と呼ばれたバンピー・ジョンソンが急死。
15年間バンピーの運転手をしていたフランク・ルーカスは、自立して生き抜くため、ニューヨークに蔓延するドラッグを生業にする。
警察からこぼれ出た粗悪品を扱う他組織と違い、ベトナム直輸入、高純度で安価なヘロイン「ブルーマジック」は、またたくまに市場を席巻した。
刑事リッチー・ロバーツは容疑者の車から発見した100万ドルを「慣例」に従い着服しなかっったばかりに、同僚からつまはじきにされていた。
検察官はそんな彼に、麻薬捜査班の責任者にならないか、と声をかけた。
捜査班の標的は「ブルーマジック」だった。



皮膚の色も立場も違うデンゼル・ワシントンラッセル・クロウがそれぞれ独立したチャプターの主人公として登場。
互いの距離を非常に遠くに置き、次第にひもをなうように絡み合うのを見届ける。
2人が直接接触するのは終盤に少しだけ。
決して不満ではなく、それまでに彼らが象徴するモノの姿がしっかりと描かれているだけに、メッセージがはっきりと伝わり、とても面白い作品に仕上がっています。



日本の時代劇のように悪は悪、正義は正義、ではなく、リッチーにだらしなさを、フランクに思慮深さを与えたことが、いい意味での割りきれなさを生み出しています。
誰もが「アンタッチャブル」にはなれないけれど、どこかに守るべきものも持っている。
現実の話をベースということも手伝い、嘘くささがなく、共感までいかなくとも、納得できる作品でした。



リッチーがフランクに初めて気付くのが、マジソンスクウェアガーデンでのモハメド・アリVSジョー・フレージャー戦。
用心を重ねに重ねたフランクが見せた一瞬の気のゆるみ。
それがひもを絡めたというのは、皮肉でしかありません。


しかしデンゼル・ワシントン、かっこいー。



金額で評価すると(標準¥1500)



¥2000



です。


物語は1968年から75年まで。
75年はぼくの生まれた年。
歴史はそう遠い過去のことを言うわけではないようです。





そうそう、アンタッチャブルなエリオット・ネスはウィキペディアを見るとあわれな末路をたどったようです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%8D%E3%82%B9


佐藤賢一の「カポネ」は、さらに辛辣に道化師の役割をあたえてます。
事実が史実になるときに、どの角度でモノを見るかで善悪が決まるようです。
http://item.rakuten.co.jp/book/3695836/



フランク・ルーカス
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%82%B9



公式サイト
http://americangangster.jp/