[映画]バベル

その昔、人間が神々が住む高みにまで届けと建造した「バベルの塔」。
その傲慢は当然神の逆鱗に触れ、一つであったはずの人類の言語はバラバラにされ、言語ごとに散っていきます。
そして塔は崩壊し、二度と人類は一つになることは無かったのです。
以上、うろ覚えながら、聖書のバベルの塔のお話です。
なんかいろいろ混じってしまったようですけど。


あらすじを簡単に…ならんかったけど


ロッコで羊飼いの男がジャッカル対策に猟銃を購入し、2人の幼い息子にそれを渡す。
銃の腕を競い合っていた2人は、仲がぎくしゃくしていたアメリカ人夫婦リチャードとスーザンが乗ったバスを的にする。
銃弾はスーザンを正確に射抜く。


そのころアメリカでは、2人の子どもと不法就労中のベビーシッターが夫婦の帰りを待っていた。
だが、ベビーシッターは子どもの結婚式のためメキシコに帰ることに。
代役もおらず、仕方なく2人の子どもを連れて行く。


東京では母を亡くし、父と二人暮しのろう者チエコが、健常者のあふれる世界の中で他人との関係が築けず心を閉ざしていた。
そんなチエコの元に、父を訪ねて2人の刑事が訪れる。


まとまりのないあらすじになってしまいましたが、要は
「角度を間違えると、先に行くほど大きく誤差が出る」
ということです。
3つの国のストーリーはそれぞれ独立していますが、細い糸でつながりあっています。
誰もが他者とのコミュニケーションに問題を抱えながら、それでも他者が存在しないと生きていけない。
悲しい誤解は常に時間がたてばたつほどさらなる悲劇を呼び起こす。
そんなことを教えてくれる作品でした。


ロッコも東京もアメリカも、映像がカサカサしているように感じたのは、ストーリーを考えたときの監督の意図なのでしょうか。
とてもうまいな、と思いました。


見終わって、深いため息が出ましたし、とても悲しかったのですが、映画として、ストーリーがズンと心に残る、そんな作品でした。


金額で評価すると(標準¥1500)


¥2000


です。


失恋後とか、心配事があるとか、心にマイナス因子があるときには間違っても見てはいけません。
だって、救ってくれる作品ではありませんから。



公式ホームページ
http://babel.gyao.jp/