しゃべれどもしゃべれども

ぼくが高校生の時に聞きまくったのが「THE BLUE HEARTS」。
悲しさや喜び、心の動きを愛だ恋だを媒介させずに歌う彼らは、思春期の反骨精神を大きく揺さぶってくれました。
というか、いまもONE&ONLYです。


あらすじを簡単に
古典にこだわるも、うだつの上がらない二ツ目の落語家・今昔亭三つ葉
自らの話芸に磨きを掛けなければならない大事な時期に、ひょんなことから「話し方教室」として3人に落語を教える羽目になる。
美人ながら無愛想で口べたな十河五月。
大阪から転校してきて、友達ができない小学生・村林優。
毒舌を自覚するからこそ解説の仕事が思うようにできない元プロ野球選手・湯河原太一。
もともと落語がやりたくて集まったわけではない3人に教えることは容易ではない。
そんな時、三つ葉は一門会で、師匠の十八番「火焔太鼓」を掛けることになる。


久しぶりに時間を忘れて映画を見ることが出来ました。
自分の人生に周囲から見ても理解できる事件なんて、そう起きるモノではありません。
誰もが思うに任せず、でも成長しようと生きている。
だからこそ人生は面白い。
そんなことを思わせてくれる小さくて、でも大きな話でした。


国分太一の落語家は、立派に二ツ目に見えました。
決して真打ではなかったですね。


一門会での火焔太鼓は笑えました。
なぜ笑わせる火焔太鼓が掛けられたのかという疑問に答える劇的な事件はありませんでしたが、そんなことは必ずしも描く必要はないんでしょう。
なぜなら誰だって、いつの間にか成長しているモノでしょう?


香里奈は撮影する角度によって美人にも不細工にも見える役者さんだと思いました。
美人に見せなきゃいけない2カット、浴衣を着たときとラストの笑顔は身もだえするほどかわいらしかったのが印象的でした。


三つ葉が一門会で本来「8日」と言うべきところを「16日」と言い間違えたのを、発表会でそのまま「16日」としゃべってしまう五月。
先に知っていればこれが小さな「恋愛表現」だと分かるのですが、知らなければ火焔太鼓を掛ける前にちらっと三つ葉を見たことで心情を理解しなければならないというのがちょっとつらいかも。
カンニングもたまには必要ですね。



好きとか嫌いとか、そんなことばかり考えて生きているわけではない人間でも、うまくすればこんなにすてきな恋愛というか、出逢いがあるんなじゃいか、と、モテナイぼくらにも希望を与えてくれる物語。
ちょっとブルーハーツを思い出してしまいました。
どのエピソードも比重を考えてストーリーを構成していたので、あっという間の2時間でした。


金額で評価すると(標準は¥1500)


¥2500


ですか。


ラストシーンの最後の最後が余計だったとは思いますが。


公式サイト
http://www.shaberedomo.com/