[時事]羽生善治というタレント

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かつて現在将棋界にあるタイトル戦すべてを奪取し、史上唯一「七冠」の称号を得た羽生善治さんが、王座戦の挑戦者・佐藤康光棋聖を3タテで退けました。
これでタイトル累積が65となり、現役1位、歴代2位という記録を達成しました。
ちなみに歴代1位は大山康晴永世名人の80です。


羽生三冠が初タイトルを取ったのが19歳の時(タイトル序列1位の竜王)。
七冠を独占した、つまり将棋界最強となったのが25歳の時。
そして10年経ってもまだトッププレーヤーであり続けているのは、本当に見事です。


本人のコメントは著書やテレビなどから伝わってきます。
ある意味「ひらめき」でやっていけた20代を過ぎ、落ちてしまった記憶力、瞬発力を補ったのはやはり「経験」だそうです。
もちろん「アーカイーブ」的経験であり、引き出しを開けてすぐ使える材料が幾つあるのかが「力量」となるのでしょう。


前に「うどん」で知られるある教授に教えてもらったのですが、ある意味アスリートである棋士と違って、サラリーマンは、経験則で、30代が一番伸びる時期だそうです。
この10年間をどう過ごすかで先々の自分が決まっていく。
最も大事なのは「40代、あるいは50代、自分がどうありたいのか目標を持つこと」だそうです。


羽生さんの言葉とダブるところがありました。


ちなみに、将棋界ではある一定期タイトルにつくと、「永世」とか、「名誉」とか、引退しても肩書きにタイトル名を刻むことができます。
一番有名なのが「永世名人」で、谷川浩司九段まで、17人の永世名人がいます(中原誠さん、谷川さんは現役のため、引退後襲名)。
永世名人は名人位に5期在位が条件です。


現在の森内俊之名人は在位4期、羽生さんもこれまで4期の在位経験があります。
もし次期の名人挑戦者が羽生さんに決まると、永世名人位をかけたタイトル戦となるわけです。
100人を超す棋士の中から、たった10人しか在籍できないA級戦(総当たり)を勝ち抜かなければ成りませんが、実は羽生さんが挑戦者になればいいのにと、ものすごく期待しています。
それこそ、将棋そっちのけで。