[小説]「魔女の笑窪」 大沢在昌著

読みかけの本が、小学生の徒競走のようにバタバタと読了されていっております。


今回取り上げるのは「新宿鮫」でおなじみの大沢在昌最新作です。
不夜城」を先に読んでしまったため、新宿鮫は3か4で中断してしまったぼくですが、基本的に読みやすい大沢作品は好きです。
個人的おすすめは「アルバイト探偵」シリーズと「らんぼう」。
らんぼうもんの金角銀角(By西原理恵子)。


あらすじを簡単に−
裏の世界の女コンサルタント・水原はひと目で男の本性が分かるという特性を持っていた。
その技能を身に付けたのは、彼女が話したがらない「過去」があったから…。


前半は短編の連作で、後半が水原の過去に迫る中編で構成しています。
こういう作品を見ると、前半で笑いをふんだんに取り入れ顧客をつかみ、後半シリアス路線(あるいは本当に書きたかったストーリー)を盛り込み、読者を共感させる「スラムダンク」や「キン肉マン」のやり方を思い出します。


大沢さん好きな方の作家さんですがね、読んでいて新しさを感じませんでした。
面白くないとは言いませんが、キャラクターも取り立ててどうということはなく、前半の短編で1つ1つ読み止まってしまいました。
1つで区切りをつけてしまえる短編の弱点ちゃあ弱点ですが。


鮫島の恋人(晶でしたっけ?)もどうかと思いましたが、ひょっとして大沢さん、女性描くの苦手ですか?
それとも木更津キャッツアイ的男と男の物語に転向したぼくの嗜好に合わなかったのでしょうか。


評価額は(ハードカバーだったので、標準金額を1500円として)


750円


です。
文庫本を待ちましょう。


P.S.やってしもうた、切り番9000ゲット