[小説]「イン・ザ・プール」 奥田英朗著

「魔女の笑窪」「ダヴィンチ・コード」「パークライフ」を同時並行で読んでいましたが、どれも片づかない間に、なんでか「イン・ザ・プール」を読み終えてしまいました。
ので先に。
直木賞受賞作「空中ブランコ」の精神科医シリーズ第1作ということで、設定の面白さから期待度高めでした。


あらすじを簡単に
一風変わった精神科医・伊良部の元を訪れる、一風変わった精神病(?)に侵された患者たちの物語。(ちょっと簡単すぎでしょうか?)


博士の愛した数式」もそうですが、設定の勝利です。
これだけで買ってしまう読者は大勢いるでしょう。
プール依存症に常時勃起症(確かそれぞれ別のちゃんと実在する症例名でしたが)。
ありえない、と思いながら、「ないわけじゃないな」と思わせる、遠くて身近な症例ばかりです。


が、どこかしら「軽い」感覚を覚えるのはなんででしょうか。
この作者の作品は昔「最悪」を読んだことがあったのですが、分厚さの割にこちらも軽い。
最悪という割に、けっこう考えつきそうな凶事ばかり登場するからです。


「イン・ザ−」は短編の連作集ですが、こちらも同じ感覚にとらわれます。
どこかで結末が予定調和になっていますよ、というのが見えるようです。


ただ、松尾スズキが伊良部を演じたドラマだか映画だかがあるそうです。
常時勃起症になった男がオダギリ・ジョーで。
看護師を柴咲コウと妄想しながら読むと、これがけっこうイケました。
多分作品自体が映画向きなんでしょう。


金額で評価すると(標準500円)


300円


です。


好き好きなんでしょうね。
気楽に短時間で読める娯楽作品です。