[時事]揺れる皇室

皇位継承権問題をめぐって、さまざまな議論がなされています。
首相諮問機関の答申に対して皇族、何人かの議員が反対意見を提示して、なんだか一気呵成の法改正、というわけにはいかないようです。


欧州諸国の王制とる国々とよく比較されますが、日本はどの国より長い天皇制度の歴史を持っていますので、一緒に論じるのはいかがなものかと思います。


個人的な意見ですが、まず「万世一系」についての考え方から議論すべきでしょう。
女性にも継承権を認め、天皇家が女系をたどることが、万世一系という考えから外れるのかということです。
もっというなら、連綿とつないできた皇統を重んじるのか、はたまた戦後日本の象徴として日本の精神的バックボーンである天皇制を続けていくのかということでしょう。


天皇」というものを考えるとき、戦後30年を経て生まれたぼくにとっては、前者の「皇統」という考え方は、実態がとらえにくいのです。
むしろ後者であるのが一般的と考えます。
であるのなら、万世一系問題は、「天皇家の一族」(もちろん感情面から、直系、長子相続であることが望ましいと思います)ということが最優先であるべきです。


実は戦後の天皇制度と男系尊重の間には矛盾があります。
戦後、天皇家も一般家庭のように一夫一妻制度をとってきました。
これは天皇人間宣言という言葉に象徴されるように、大衆に親しまれる皇室を目指した結果なのでしょうが、血の保存のみを考えれば非常に非効率です。
天皇家の存続、特に男子相続を第一に考えるのであれば、ビートたけし案の「一夫多妻制」を残すべきなのです。


ただ、国民感情として、それを許容することは恐らくないでしょう。
であるのなら、男系のみを考えることはできないでしょう。


とはいいながら、法改正にとって、また大きな転機がやってきました。
秋篠宮妃の懐妊報道です。
多くの新聞が
「産まれるのが男児なら皇位継承順位は(現法制度下では)第3位」
と書く、あるいは見出しにとっていました。


男系を守りたいんでしょうか?


恐らく法改正は出産後に持ち越されるようですが、もし男児が生まれたからといって問題がオールクリアになるわけではありません。
ですが、30年後くらいまで、ちょっと先送りにはできるでしょうね、日本人的に考えると。