「リアル鬼ごっこ」 山田悠介著

前々から気になっていた作家の出世作です。
なかなか時間がなくて、本が全然読めていません、乙一さんとか恩田陸さんとか…


あらすじを簡単に
王様は自分と同じ「佐藤」姓が500万人も存在することを嫌い、鬼ごっこに名を借りた「佐藤狩り」を行う。


期待していた割には、なんだかな、という内容でした。
高見広春著の「バトルロワイヤル」と指向性が同じに思えたのですが、全然「リアル」じゃないんですね。
文書にキレはあってもコクがない。
一つは残り人数の表示です。
バトロワは章ごとに「残り○人」とありましたが、リアルは後半まで全く明示されません。
ドキドキ感がありませんでした。
またエピソードのつむぎ方も、後付け後付けという感じで違和感を覚えました。
親友や妹、大切な仲間が、突然登場した、という感覚です。
いつ裏切るんだろう、と期待していたぼくは、バトロワをはじめとする現代のシナリオ傾向に毒されているのかもしれません。
オチにもひねりがありません。


それでもさらっと1時間程度で読めたので、文章はうまいんだろうな、と思いました。


評価ですが(標準価格を500円として)


¥150


ですか。
時間つぶしとしては、赤川次郎の作品の方が優秀だと感じました。