[映画]魍魎の匣

そういや「姑獲鳥の夏」、見ても読んでもないわ…
買った本が雨に浸かってさらに分厚くなってますしね。


先日の試写会のご報告。
あらすじを簡単に
箱の中から腕だけが見つかるというバラバラ事件が世間を騒がせていたおり、小説家関口が寄稿する雑誌社「実録犯罪」からもいくつもの腕がV字に折りたたまれた箱が発見される。
京極堂の妹で雑誌記者の中禅寺敦子も事件解明に乗り出すが、裏には「穢れ封じ御筥様」という新興宗教の影が見え隠れする。
そんなおり、柚木加菜子という14歳の少女が電車にはねられ四肢断裂状態になる。
加菜子は大女優だった美波絹子の娘で、柴田財閥の後継者だった。
一時行方が分からなくなっていた加菜子を美波の依頼で捜索していた榎木津。
絡み合う不可解な事件の糸を解きほぐすため、関口、敦子、榎木津はそろって京極堂の元を訪れる。




しかし、相当はしょったつもりのあらすじもこんなに長くなってしまうなんて、伏線が張り巡らされすぎです。



意図的に時系列をずらして、出来事を後から後から補足していく序盤は非常におもしろい構成です。
観客に、切れ切れの糸を必死でつなぎ合わせる作業を強いる手法には引きつけられました。



だからこそようやくの思いでつないだ糸がどう解きほぐされていくのか、その鮮やかなクライマックスに期待感が高まるわけですが、正直「こんなもんか」と「仕方ないか」の2つの感想。
悪かないんですが、期待感の分だけ興ざめでした。
所詮あの本が2時間で映像化しきれるわけがないんです。
分かっていたことですけどね。



箱のような建物は戦時中から建っていたはずですが、なんだかみんな初めて見るかのような扱い方。
そしてクライマックスの舞台となるわけですが、「だから何なの」という印象です。
前半と後半をつなげる糸が異様に細いのが気になります。
1時間半ほど見たところで終わってしまうのかと思いました。



一応の結末にはなっていますが、ぼくの期待感を返せ、と言いたい。
原作なら、もっとすっきりさせてくれるはずです。



金額で評価するなら(標準¥1500)


¥1400


です。



3時間の映画にすれば、きっともっともっとおもしろい作品になったのに、残念です。


しかし今の日本映画は、当たりそうだと思えばいくらでも豪華キャストをつぎ込むんですね。
なんだか腹立たしくさえなりました。



公式サイト
http://www.mouryou.jp/


も一つ、京極堂シリーズの登場人物についてはこちら
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%AC%E6%A5%B5%E5%A0%82%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA#.E4.B8.BB.E3.81.AA.E7.99.BB.E5.A0.B4.E4.BA.BA.E7.89.A9