[映画]天然コケッコー

新垣由衣と裕木奈江、そして一昨年東宝シンデレラになった黒瀬真奈美がうまい具合にミックスされたヒロイン「夏帆」。
なんかチョーカワインデスケド。


あらすじを簡単に
小中の全校生徒合わせて6人の分校に東京から転校生がやってくる。
最年長の中2で面倒見のいい「そよ」は、初めての同級生をドキドキしながら待っていたが、イケメンだがちょっと意地悪な「広海」に取っつきにくさを覚える。
だが同じ時間をともに過ごすうちに、広海のことが気になり始めてしまう。



ぼくが田舎生まれ田舎育ち、4年だけ東京、という境遇だからでしょうか、最初のシーンから最後まで、ずっと胸がいっぱいでした。
ちょっとありえないくらい純真な心の動きを、田舎の分校という舞台設定ですべてクリア。
なんか現代の孤島で童話が繰り広げられているような、そんな感覚に陥りました。


しかし画面の中の「そよ」には、ガッツリやられました。
初めての同級生はイケメン、というもう「恋しちゃってください」という環境の中でちょっと突き放してみる。
かと思えばコートのために「チュー」を許してしまう。
イケメンには反発するオッサンも、広海に同情を禁じ得ません。
この「天然小悪魔」は、オッサンのハートを打ち抜きっぱなし。


周囲の俳優も芝居がかっていない演技がとても自然で、雰囲気を作り出していました。
自然がきれいなのに、自然を前面に押し出さない編集も好感触。
こんな世界がこのままずっと続けばいいのに、と思わせながら、「卒業」というリミットを設けて、1年ちょっとの物語を描ききる山下敦弘の才能には脱帽です。


金額を付けると(標準¥1500)


¥2800


ですか。
そよの父親と広海の母親のエピソード、その後が描かれていないことが若干不満、というか気になりました。


決して泣くことはありませんが、間違いなく必見です。



公式サイト
http://www.tenkoke.com/