岩井志麻子著「美男の国へ」

会社に落ちていたから読みました。


あらすじを簡単に
ま、エッセイにあらすじもないもんだが、韓国に内縁の夫、ベトナムと東京(中国人)に愛人を囲う、中年作家・岩井志麻子のエロスとアガペーの実録記。


西原理恵子のポン友ってことで名前だけは知っていた岩井志麻子ですが、テレビで見る彼女をどうにも好きになれなくて、これまで一冊たりとも読んだことはありませんでした。
で、先日西原、中瀬ゆかりの「文学鼎談」なる猥談トークショーにお邪魔してから、「エッセイなら読めるかも」と思って手に取った一冊です。
というのも、ぼくがエッセイとかノンフィクションが苦手な理由として、リアリティーとファンタジー、というか「ぶっ飛んだ感」が共存しないというのがあるからで、これまで楽しめたのは景山民夫の「イルカの恋カンガルーの友情」くらい。
しかし、岩井志麻子は、期待に反せず


ぶっ飛んでました。


男の猥談と違って、女の猥談ってすごく新鮮でした。
猥談なのに、なんだか猥褻じゃない感覚に陥りました。
つうか、単純に、笑えました。


彼女の汚いところは、猥談の間に事情で会えなくなった自分の子どもたちの話を差し挟んでいるところ。
自己正当化というか、どんなに遊んでも、汚れてないところに拠り所がある、というのを読んでいる人に分からせるというのは、好悪が分かれるかもしれません。


もちろん幼児を抱えるぼくに、嫌悪する理由はありませんでした。



金額で評価すると(標準¥800として)


¥600


ですか。


読むなら文庫になってからですね。
文庫にしてくれるなら、ですが。