[映画]さくらん

蜷川実花の写真は原色がきつすぎて目がちかちかする。
「どうせ映画もそうなんだろ」くらいの感覚で映画館に行きました。


あらすじを簡単に
8歳で女衒に連れられ吉原にやってきた少女は、やがてきよ葉として売りに出される。
「男の求めることが分かる」という天性の才能を持った彼女は次第に売れっ子となり、ついに花魁「日暮」として頂点に立つのだが…。


いや、まともな作品になっていて拍子抜けしました。
確かに場面のつなぎ方が変な感じのところがあって、肩すかしを食った感じですが、色眼鏡付で見始めた効果か、悪くない感じでした。


中でもきよ葉、土屋アンナが絶品。
郭モノは映画としてこれまでにもあったのでしょうが、「吉原炎上」では名取裕子とかたせ梨乃という、いわゆる「妖艶」系の美女。
土屋は遊女のイメージを覆す存在感でしたが、トーンの低い声には逆に魅了されました。
スクリーンを蜷川特有のいわゆる「原色」で埋め尽くすのかと思いきや折々にトーンを落としたりしていたのは、土屋の存在があったからかも知れません。


物語はとてもはすっぱな感じもします。
初恋の成宮寛貴は、きよ葉が惚れるには軽薄な気がしますし、身請けを申し出た椎名桔平はこっけいでしかありません。
木村佳乃にせよ菅野美穂にせよ、相対的にほかの遊女がくすんでみえます。
木村はなぜあのポイントで錯乱したのか、疑問ですしね。


確かに何かが足りませんが、土屋アンナがとびっきりなので、


「まあ、いいじゃないですか」


って気になりました。
蜷川初監督作品ということも考慮して、70点の及第点で。


ということで金額評価は(1500円を標準として)


¥1100


で。


それにしても安藤政信中村俊介は、ぼくには見分けがつかない。
というか、最後まで清次を中村俊介だと思ってました。