[新聞]全下野労組のその後

とりあえずの結末から若干のブランクがあります。
というのも、藤代@ガ島通信さんからのコメントに、3月入ってからようやく気付いたからなんですが。


下野新聞の印刷工場新設に伴う社員の転籍問題ですが、地裁決定を受け、労組は社員転籍を受け入れ、条件闘争に切り替えたようです。


さて、以下は憶測を含みます、間違えているところはご指摘ください。
法廷闘争になったということは、弁護士か誰か、法定代理人を雇用しての争議でしょう。
地裁決定後に、高裁への抗告を行ったはずですが、決定を受けて社員転籍を容認したということは、地裁決定を覆すだけの論拠を持たないということでしょうか。
代理人は「負け」ることが分からなかったんでしょうか?


不利であることが分かっていたら、決定前に何らかの手が打てていたかもしれません。
例えば「転籍」ではなく一部条件を受け入れた上(もちろん金銭カットを受け入れる、ということですが)「出向」に切り替えるとか。


いろいろ読んでいると、労組側は出向も模索していたようなので、これは労組側だけの問題ではなく、結局会社との折り合いがつかなかったというべきでしょう。


これによる影響は当然下野新聞社1社ではなく、全国紙を含め、全新聞社に波及するでしょう。
印刷系の社員だけの問題ではなく、営業部門から果ては編集部門まで、持ち株会社化など、本体を残して切り離し、会社のスリム化が促進される恐れがあります。


だからこそ、先鞭をつけた全下野労組は、もう少し考えた闘争をするべきだったと思います。
法廷では前例が後の裁判を支配することが多いことくらい、マスコミ関係者なら常識なんではないでしょうか。


マスコミ関係者の高給ぶりに、個人的に嫉妬してしまっていた部分は、正直あります(笑)。
この「新聞冬の時代」に、全部が全部の権利を守ることが不可能であることがわからなかったのだろうか、と落胆さえ覚えます。


ただ、マスコミの分社化となると問題が違ってきます。
「利益追求型」だということを宣言してしまっていますものね。
あれだけ本紙に広告を載せておいていまさらですが、マスコミは何者にも左右されない公器であるという姿勢を崩すべきではありません。


給与問題はさておき、今後はマスコミの姿勢問題に転換されるでしょう。
下野新聞の問題は、もはやトピックスではなくなっています。
マスコミ人は、5年、10年後の業界を考えながら指針を出してほしいと、考えます。