[映画]人のセックスを笑うな

「みるめ」は童貞だったのでしょうか?


あらすじを簡単に
夜明け前、終電を逃してヒッチハイクをしていた女性・ユリ。
みるめら3人が親切にも車で家まで送り届けたのだが、その後偶然大学で再会する。
リトグラフ講師を務める彼女は、20歳も年上だとは思えないほど自由奔放で、みるめは「ああっ」という間に恋に落ちる。
だが実は、ユリは人妻だった。



俳優陣に寄らない、引きの映像を多用しています。
しかもダ・ヴィンチばりに遠近法が利いた奥行きのある画面は、とりあえず全部見てくれ、そしてお前が選べ、と突きつけられているようです。
たまに使うアップがとても効果的でした。
例えばえんちゃんがおかしをむさぼるシーン、みるめがバイクでえんちゃんの前を通り過ぎるシーンなど、見えない部分への想像をかき立ててくれます。
非常にアーティスティックな映像だと感じました。





アーティスティックだからこそとっつきにくいのもまた事実。
ストーリーが青年になろうとしている少年が、女性の無軌道さ(あるいは強さ?)と自身のリビドーを闘わせるもの。
もちろん男誰もが一度は通る道です。
共感できるはずの物語が、映像の格調の高さのため、逆にどこか「対岸の火事」のようになっています。



公式ホームページを見ると
「全ての女性が待っていた、せつなさ100%の恋愛映画」
とありますから、「せつない」と思ってもらいたいのでしょうが、感情移入率0%です。



もちろん映像の「おかしみ」はあるし、えんちゃんと堂本の話も唐突にですが展開して、サイドストーリー好きのぼくを喜ばせてくれますし、永作はともかくえんちゃん・蒼井優はやっぱりすごいしと、見どころはたくさんあると思います。




長回しを使って、どこまでセリフなのか、あるいは役としての日常会話をやらせているのか、錯誤を与えるような作り方。
ユリに一度「子供か!」と突っ込んだ後、時間を少しおいてからもう一度「子供か!」と言わせる。
俳優の会話を丁寧に取り扱ったところなんか、あるある、と思うこともできましたが。



金額で評価するなら  (標準  ¥1500)


¥1700


でしょうか。



逆の意味で原作を読みたいという気にさせてくれました。
つうかこの映画「女性のための」作品なんですね。



公式サイト
http://hitoseku.com/