舞妓Haaaan!

阿部サダヲ堤真一柴咲コウに脚本宮藤官九郎
これ以上何を望むというのでしょうか?


あらすじを簡単に
高校の修学旅行以来、舞妓に憧れ続ける鬼塚公彦。
東京本社から念願の京都支社に転勤となったが、お茶屋はもちろん「一見さんお断り」。
お茶屋常連の社長に、「結果を出せば連れて行ってやる」と言われ、死にものぐるいで新製品開発に取り組む。
新商品「あんさんのラーメン」ヒットをひっさげ、初めて訪れたお茶屋プロ野球スター選手・内藤貴一郎に場を壊される。
内藤は鬼塚の舞妓ファンサイトでケンカをふっかけてきた、因縁の相手でもあった。
一方、鬼塚の転勤であっさり降られた彼女・大沢富士子は会社を辞め、24歳にして舞妓になる決意をする。
鬼塚はあの手この手で内藤を出し抜こうとするのだが…


脚本が見事。
いま、コメディーを書かせると日本一だと思われるクドカンは、前振り→結果、前振り→結果と、ネタをフーガのようにつないで、ぐるぐるぐるぐるループさせ、荒唐無稽なストーリーにも説得力を持たせます。
逆に、だからこそ破天荒さが際だつのも面白いと思います。
泣こうと思えば他の脚本家を選ぶべきですが、笑いたいならクドカンのクレジットだけで見るべきです。


脇役キャラの阿部も、この脚本なら主役にぴったり。
真田広之伊原剛志もそうですが、JAC出身の堤は何でも出来る俳優さんですね。
「ブサイク」と「格好いい」、「貧乏」と「金持ち」など、物語上のいろんな対立軸を見事に体現していました。


映画のできはどんなでしょうか?
評価が分かれると思うのですが、ぼくはダメでした。


前半にあるミュージカルシーンが長すぎ。
もちろん、ミュージカルのぶり返しとか、後になって効いてくるところもあるのですが、ミュージカル半分で「もう勘弁してくれ」でした。
そうなると、ここがひっぱりすぎだとか、顔の角度が気にくわんとか、いろんなところが気になってきて、脚本のおもしろさが半減とは言いませんが、2割引きになってしまいました。
といって、水田伸生堤幸彦になっても同じかも知れません。
感覚的な問題ですから。


しかし、舞妓は役者を選びますね。
駒子役の小出早織は、いわゆるうりざねの日本顔。
メークを落としたシーンがなかったので、素顔にも興味を持ちましたが、舞妓にぴったりでした。


反対に柴咲コウは厳しい。
角張っているからでしょうか?
OLのシーンはかわいいのですが、舞妓になると美人度半減でした。


しかし、京野ことみは分かりましたが、まさか酒井若菜まで舞妓役で出演しているとは。
エンドロール見て、分からなかった自分に悔しがってしまいました。


金額評価ですが(¥1500を標準として)


¥1500


ですか。


大きかった期待の裏返し。
それでも原価割れの作品ではありません。


元祖「無責任男」植木等の遺作になって、彼の名を汚さない映画だと思いました。


公式サイト
http://www.maikohaaaan.com/index.html