[映画]インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国
ナショナルトレジャー(2)を見ているのかと思いました。
あらすじを簡単に
1957年、かつてインディが探し当てた「アーク(聖櫃)」を収めている「エリア51」に、米軍人に変装したロシア軍がやってくる。
彼らの目的は超常の力を秘めたオーパーツを手に入れることで、次の目的は「クリスタル・スカル」。
あの「エルドラド(黄金郷)」で知られるマヤ文明にまつわる秘宝だった。
ロシア軍指揮官のスパルコにスカル探索を強要されたインディだが、逃走。
かつての恋人マリオンとその息子らとともに、スカル奪取に乗り出す。
さすがハリウッド、さすがインディ。
ストーリーの破綻を挙げればきりがありませんが、十分に楽しめました。
だいたい冷戦時代、KGBといえども米国内、しかも米軍基地にやすやすと乗り込めるはずがありません。
万が一侵入できたとしても、その後の追跡がまったくないのはありえない話。
米ロの間で何かの密約ができていて、スカル発見のあかつきには…みたいなストーリーもない、実に肩すかしです。
アークの行方についてもまったく触れられておらず、ただのつかみになっているのはいかがなもんでしょう。
久しぶりに復帰のインディですが、劇場予告でも流れていた「衰え」を笑いにするシーンは最初だけ、本編90%までがいつものインディで、この19年は何だったの? と首をかしげました。
確かにハリソン・フォードにかつての容貌はなく、2、3年後で描くことが困難なのは分かりますが、ストーリー展開といい変化がなさ過ぎです。
ま、重箱の隅をつつくよりも、ピンからキリまで「インディ」だったことにびっくりしました。
つかまる → 逃げる → 追われる → 逃げ切る → なぞを解く → 追いつかれる → でも大団円
予想以上でも以下でもなかったのは、多分いいことなんでしょうね。
ぼくがインディシリーズをビデオで見た、大学時代に引き戻されたような感覚にもなりましたが。
頭を使わずボーッと眺めて楽しめる作品です。
じっと見ていられたら多分低い評価にはならないと思います。
個人的には水陸両用車に乗る5人が3回滝から落ちるシーンが笑えましたしね。
まだ次の滝があると分かっているのに、5人が2回もいそいそ車に乗り込むとこなんか。
しかし配役を少しだけ見て出掛けたのですが、ケイト・ブランシェット、まさかとは思いましたが、最後まで彼女がスパルコだとは信じられませんでした。
この手の作品には必須の、敵役のゴージャスさ、スタイルのよさ、すべての「萌え要素」を否定するかのような扱い。
せっかく「女王様キャラ」なのに、ちょっとは気を使えよスピルバーグ、って感じです。
金額で評価すれば (標準 ¥1500)
¥1550
ですか。
伏線とかだまし合いとか、インディにそんな高度な要求をしてはいけません。
ちなみに、インディの本名はヘンリー・ウォルトン・ジョーンズ Jr. 。
なぜインディなのかというと、父親から「ジュニア」と呼ばれるのを嫌い、飼っていた犬の名前を称するようになったそうです。
マット・“ヘンリー”・ウィリアムズが「ジュニア」と呼ばれることを嫌うのも、血のなせる業かと思うと、一応ちゃんと脚本書いてるんだな、と妙に感心しました。