[映画]大いなる陰謀

そういやロバート・レッドフォード監督作品見るの、リバー・ランズ・スルー・イット以来だ。
映画通じゃないな、ぼく…。


あらすじを簡単に
上院議員のアーヴィングはテレビ局のジャーナリスト・ロスに、
「アフガンで新たな作戦が始まる」
という軍事情報をリークする。
アーヴィングは大統領選立候補という野心を持っており、テレビをうまく利用することで好意的な世論を形成しようとしていた。
40年の記者経験か、女性のカンか、その野望をロスは敏感に感じ取る。
一方、大学教授マレーは優秀な、だが目標を見失ってしまった生徒を呼び出し、かつての教え子2人の話をし始める。
一人は黒人、一人はメキシコ系、ともに生れた環境もひどいものだった。
学業では優秀な成績を修めていたがマレーに志願兵に応募したことを告げる。
そして2人は、アフガニスタンの新作戦に臨むことになる。



よくもまあたった1時間半で、これほどメッセージ性の強い物語をつくったものだと感心しました。
レッドフォードの国家観や戦争観をよく反映していると思います。
その内容はともかく、伝えようとする意欲と脚本はお見事だし、伝わるように撮ったということも十分感じられる作品でした。


それだけに内容が問題になるんですが、なんだか釈然としない気持ちにさせられました。
これだけの監督なのに、「今の政府のやり方は間違っている」というスタンスに立った人が持つ紋切り型な描写をしているからです。
例えば
政治家の好意には必ず裏がある
だとか、
政治家は戦争の失敗を戦争の成功で補おうとする
だとか、
戦争で死に行く者に為政者はいない
だとか、
マスコミは情報に対する疑い以上に特ダネを欲する
だとか。
ぼくのように、9.11以降と限らず米国の国内事情に疎い者にとっては勉強にもなりますが、そうでない人は言わずもがなのメッセージの提示が鼻に付くのではないでしょうか。


メッセージが重要なのなら、とってつけたような2人の米兵の死はお涙頂戴のためだけの蛇足です。
ただ、このシーンがないなら面白味に欠けるというのもまた事実です。



金額で評価するなら  (標準 ¥1500)



¥1700



です。


ラストのタクシーの中で悔しさをかみ締めるメリル・ストリープは印象的でした。


最近のハリウッドはオムニバスを一つの結末に収束させるというのがハヤリなのでしょうか?




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