[映画]犯人に告ぐ

横山秀夫のみならず、踊る大捜査線でももう少しちゃんと警察内部の事情を描いていたように思います。



あらすじを簡単に
ノンキャリながら警視まで上り詰めた神奈川県警の巻島は、2000年に発生した誘拐事件捜査に失敗。
釈明記者会見の場で逆ギレし、田舎町の警察署に飛ばされてしまう。
6年後、県警本部から呼び出される巻島。
待っていたのは誘拐事件を指揮した当時の刑事部長で、県警本部長に返り咲いた曽根。
曽根は今、神奈川を震撼させている児童連続虐殺事件を解決するため、巻島に特別捜査官としてテレビに出演し、情報提供を呼びかけるよう命令する。
巻島は曽根たちの思惑とは裏腹に、テレビからこう訴える。
「お前と直接対話したい。教えてくれ、なぜこんな事件を起こしたのか?」



警察内の階級というのは非常に重要で、青島刑事は巡査部長だったからこそ地べたの悲哀があったわけです。
そこへきて警視というのは、ノンキャリにしてみればほぼ上り詰めた地位です(その上の警視正になれるのはさらにほんの一握りで、地方警察なら同期に10人未満でしょうか?)。
そこから「さらに上に行きたい」と言われたって、「そんならキャリア試験か、準キャリ試験を受けろよ」と言いたい。


原作を調べてみると、児童連続虐殺事件「バッドマン事件」当時、巻島は52歳。
これで得心しました。
46歳の警視なら同期でも出世組の方で、出世したい方なんでしょう。
演じたトヨエツが若すぎるんですね。
それらなせめてキャリアとかにしておかないと、「何を言ってるんだ」ってことでしょう。
準キャリならよかったのに。


あと、これは無茶だな、と思ったのが、事件の終盤で、名実ともに事件の指揮をふるう巻島が、一本の電話に呼び出され、現場を抜けてしまうこと。


…お前、前に嫁が死にそうな時だって、現場抜けださんかったやないか!!!


しかも、大詰めのこのとき、呼び出した相手はあるいはバッドマンである可能性も捨てきれない状況で、神奈川県警刑事が東京に行くか?
越境も甚だしい。


その裏側で進行するバッドマン捜査はあっけない解決を見せるわけですが、強弱の付け方としてこちらを弱にしたのは面白いと思います。
それだけに「強」の理不尽さが許せませんでした。



警察から情報をヌクだけのマスメディアを逆手に、警察が利用するという構図は大変面白かったと思います。
特に、組織の一員という意識の強い警察官が、暴走するというのは、その裏に過去の事件があったからという理由付けも完璧です。
トヨエツの
「今夜は震えて眠れ」
は名言でした。


それだけに、「劇場型犯罪」と言う言葉が一人歩きしているのは残念でした。



金額で評価すると(標準 ¥1500として)



¥1100


ですね。



おしい!



公式サイト
http://www.hannin.jp/


http://www.hannin.jp/blogparts/hannin_blogparts.js