[時事]靖国問題をもっと単純に

個人的な意見でどうこういうつもりはありません。
行くのが信念であればいけばいいと思うし、それを公約にして首相になったわけですから。
でも、これほど周辺各国の反発を5年間もほったらかしにしているのは、首相として、外交能力が低いからととられても仕方ありません。
もし彼が「中国や韓国は、日本に反発することで何らかの見返りを得ようとしている。そんな外圧には負けない」と思っているとしたら、その単純さこそが問題です。
もちろんそうじゃないと思っているから書くわけですが。


A級戦犯の合祀、分離問題ばかりがクローズアップされていますが、じゃあ分離すれば非難はなくなるのか、というとそういう問題でもありませんよね。
もちろん外交カードとしての威圧は多少弱まるかもしれません。
でも、何枚ものカードの内の一枚に過ぎません。
中国や韓国の非難の根本は、第二次世界大戦下の日本の支配にこそあるからです。


靖国を参拝すること自体は理解できる面もあります。
ぼく個人の賛否はともかく、小泉首相的にいえば「国のために命を失った人を参拝することで、二度とあのような悲劇を繰り返さないよう気持ちを新たにする」という考え方は、筋が通っていると思います。
それでなくても国のために頑張った人を顕彰すると言うことはどこの国でも当たり前の行為ですよね。


勘ぐって言えば、国のために命を捨てた人々(戦争で、あるいは戦犯としてではあっても)を蔑ろにするということは、裏返せば「国のために命を捨てなくてもいい」という考えにもつながります。
教育勅語じみた教育改革を進める人々のみならず、そういう考え方を気にくわない人はたくさんいますものね。


話を戻します。
で、なぜ中国や韓国から理解を得られないかを考えてみましょう。
戦後補償が終わっていないと思う人々がたくさんいるからでしょう。
個人的に日中間、日韓間の戦後補償交渉は終わっている、と思っていましたが、これだけの反発があるということは、ぼくの記憶違いかもしれないと考え直しています。


首相、政府は「外圧外圧」と叫んでも、周辺諸国は納得しません。
日本がどこまで踏み込んだ謝罪をして、政府間での交渉がどの面まで決着がついているのか、もう一度ぼくのような不勉強な国民に対して、提示し直す必要があるのではないでしょうか。
もちろん周辺諸国との交渉のテーブルにも再度乗せるべきです。
もし謝罪、補償が不十分だというのなら日本に持ち帰って協議すればいいじゃないですか。


首相の靖国参拝問題と、戦後補償の問題を同じテーブルに乗せ、日本と周辺諸国とがそれぞれがなり合うからややこしくなるんじゃないでしょうか?
靖国参拝、是か非かを視聴者に投票させることなんて、意味がないことだと思いませんか?


あと、周辺諸国と書いていますが、具体的にどこの国のことなんでしょうね。
テレビで見かけた他国のコメントは、中国と韓国以外ありませんでしたが。
対立軸を明確化して競わせるのがテレビのやり方なんでしたっけ?